CG集を購入いただいた方より質問をいただいたのですが、書くと長くなるのでいっそブログネタにしてしまおうという記事です。

StableDiffusionWebUIを長時間稼働させ、たくさんの画像を作成したい時に使える方法です。

WebUIの基本的な機能を熟知している方にはあまり目新しい話ではないのですが、個人的に工夫している運用ポイントや、PaperspaceなどのクラウドGPUで実行する場合の話なども紹介します。

▼基本中の基本「GenereteForeverでの生成開始方法」

「Generete」のボタンを右クリックすると、下の画像のように「Generete forever」という選択肢が出ます。これをクリックすれば自動生成開始です。以上。

「GenereteForever」でStableDiffusionを自動で働かせ続ける話と運用方法など | CONV工房(AIイラスト)
知らないとなかなか気づかない機能ではあります。

▼基本的な注意点

●GenereteForeverで生成し続ける時は、基本的にSEED値をランダム(-1)に設定しておきましょう。SEED値を固定しているとひたすら似たようなイラストばかりが出力されます。(一応対策はありますがいずれにしてもこの運用方法でSEED値を固定する意味はあまりないと思います)

追記: 同SEEDで回し続ける事故を防ぐ拡張もあるようです

https://github.com/aka7774/sd_copyguard

●必ず、生成画像が自動保存される設定にしておきましょう。(GRIDは保存不要です)

「GenereteForever」でStableDiffusionを自動で働かせ続ける話と運用方法など | CONV工房(AIイラスト)

また、サブディレクトリに保存されるように設定して、フォルダ名に日付やモデル名を入れるようにしておくと後で管理が楽になります。

「GenereteForever」でStableDiffusionを自動で働かせ続ける話と運用方法など | CONV工房(AIイラスト)

以上が一般論で、ここから筆者が運用していて気づいた点などを書いていきます。

▼運用時に知っておくと便利なポイント

●GenereteForeverの実行中でも、PROMPTやStep数、解像度サイズなど諸々の設定は随時変更可能です。変更した場合、「次の生成から」その内容が反映されます。(実行途中の画像は変更前の内容でそのまま作られます。)

 「メイドさんのイラスト作ってたけど、なんだか今Twitterでゴリラの画像が流行ってるらしい。よし、次はゴリラの画像をいっぱい出すぞ!」と突然思い立った場合、いちいちGenereteForeverをキャンセルして止める必要はなく、実行途中にPROMPTを書き換えれば次のサイクルからゴリラになります。

設定変更の小回りが効くように、同時に生成する枚数は少なくしておくのがオススメです。ただし、あまりに1サイクルが短いとPROMPTを書き換えている最中に中途半端な設定で次の生成が始まってしまう場合があるので、1サイクル30秒から1分くらいになるように調整するといいかと思います。ここは個人の好み次第です。

●GenereteForeverの実行の合間に別タブでのimg2imgやInpaintのタスクを予約することも可能です。

途中で別タブでのタスクを予約した場合、 実行中のt2i完了→別タブで予約していたimg2imgの実行→img2imgの完了後に次のGenereteForever発動 という流れになります。

●モザイク修正が必要になる部位についてはNegativePromptに入れておくと楽

NSFWなどのPromptを入れる場合、黙ってるとひたすら局部が露出したイラストなどが大量生成されます。それを望む方もいるとは思うのですが、投稿することまで考えるとそのようなイラストばかり出てくるのは大変なので、NegativePromptに「P●●●Y」などを入れておくと比較的運用が楽になります。なお、Negativeに入れておいても出る時は出ます…。

▼Paperspace(クラウド)でやる場合

ローカルなら「outputs」のフォルダを開いて中を見れば良いだけなのですが、クラウドでこの手法を取る場合はひと手間かかります。(このあたりの作業が割りと難しいので、正直ローカル環境の方が初心者にも取り扱いやすいというのは正直言えます。)

Paperspaceだと生成した画像はクラウドストレージに保存されているのですが、そのままの状態だと画像の選別作業も非常にやりにくいです。そのため、一旦ZIPなどで保存して、自分のPCにダウンロードする事が必要になります。(もっと良い方法があれば教えてください)

「GenereteForever」でStableDiffusionを自動で働かせ続ける話と運用方法など | CONV工房(AIイラスト)

各自の設定状況によってコマンドは異なるのですが、筆者の場合は

%cd /storage/atelier/stable-diffusion-webui
!zip -r outputs.zip outputs/

という感じのコマンドをPaperspaceのNotebookで実行して対象フォルダをZIP化し、それをダウンロードした後に下記のコマンドでダウンロード済みの分を削除しています。

!rm -r outputs/

↑これは対象フォルダの中身全部を消すというコマンドなので、取り扱い注意です。まだダウンロードしていない画像を消してしまったり、StableDiffusionWebUI関連のファイルを全部消したりしてもそこは責任を持てないので各自よく調べて使ってください。

(WebUIの保存フォルダが違う場合は適宜アレンジしてください。この部分についての質問は対応できません。)

「GenereteForever」でStableDiffusionを自動で働かせ続ける話と運用方法など | CONV工房(AIイラスト)
「GenereteForever」でStableDiffusionを自動で働かせ続ける話と運用方法など | CONV工房(AIイラスト)

▼この運用方法のデメリット

本当にたくさん画像が生成されるため、選別が大変です。また、ストレージ容量をかなり使うという事もデメリットと言えるかと思います。

このスタイルがメインになると、1台のPCで1日1000枚~2000枚以上の画像(そこそこの画質で)を出力することも普通に可能ですので、選別する人間の方がボトルネックになってきます。

CONV工房の場合、ローカルとクラウドの二段構えでやっているためその倍くらい作成しているイメージです。(inpaintやi2iでの生成分を含みます)

「GenereteForever」でStableDiffusionを自動で働かせ続ける話と運用方法など | CONV工房(AIイラスト)

当然ですが無加工でそのまま使える画像ばかりではないので、画像の加工作業をどこまでやるかという問題もあります。CONV工房ではある程度有望なイラストを選別して、さらにi2iとinpaintでブラッシュアップする運用がメインになっています。

一方で1つ1つブラッシュアップすることは想定せず、たくさん生成した中で破綻なく仕上がっているものをピックアップするという方も多いようです。(どちらかというとこちらのパターンでやっている方が多いらしく、意外とinpaintのノウハウはまだまだ普及していないように感じられます。)


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